熊本の豪雨を防ぐ!?川辺川ダム計画とは?

鹿児島県、熊本県に豪雨をもたらした、先日の梅雨前線の影響で、熊本県の球磨川(くまがわ)が氾濫し、下流の人吉市、八代市が甚大な影響を受けています。

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その球磨川の上流に存在する市房ダムでは緊急放流が行われ、話題となりました。

今回被害を受けた球磨川の支流である川辺川に、川辺川ダム計画というものがあるのをご存じでしょうか?

仮にダムが存在していたら今回の洪水被害は少なからず低減できていたと思うのですが、様々な背景があり、着工すらされていません。

実はこの川辺川ダム、「東の八ッ場、西の川辺川」と呼ばれるくらい長期化しているダム計画として有名です。そんな川辺川ダムの概要と、現在までの沿革、今後の展望について解説してきます。

川辺川ダムの概要

堤高107m
堤頂長283m
総貯水容量1億3300万㎥
利用目的F(洪水調節)N(不特定利水)
型式アーチ式コンクリート
事業主体国土交通省
着工年/竣工年1966年/未定
所在地熊本県球磨郡相良村
ダムの概要

川辺川ダムは、現状計画されている中で唯一のアーチ式コンクリートダムです。

規模的には、小渋ダム、上椎葉ダムとほぼ同じということでかなり大規模なダムが計画されているといえます。

位置関係としては以下の通り。

熊本県の人吉市に流れ込む球磨川の上流には今回の緊急放流で話題になった市房ダムが建設されています。球磨川の支流、川辺川の上流に建設が予定されているのが川辺川ダムです

川辺川ダムと市房ダムの位置関係

川辺川ダムの沿革

川辺川ダムは1966年に計画されたものの、様様な紆余曲折があり、計画自体が事実上中止になってしまっています。

すべての経緯を記述するとすごい量になるので、簡単にまとめてます。

ダム建設計画の策定と補償(1960~1990年)

1964年に行われた東京オリンピックのさなか、1963から1966年にかけて、川辺川、球磨川にて大規模な洪水が発生し、熊本県と人吉市が当時の建設省に対して治水対策を要望します。

熊本県の<br>政治家
熊本県の
政治家

最近洪水やばいんで、国の方で対策立ててくんね?

その後、建設省は川辺川ダムの計画を発表したものの、すぐに川辺川ダムの水没予定地である、五木村議会の反対運動に会います。

五木村の人
五木村の人

村がつぶれるなんて反対じゃ!それなりの補償を用意してくれ

その反対運動を受けて建設省は計画を見直し、水没予定の地区に住む五木村の人たちと話しあいを実施し、ダムの計画について合意します。利水を含む多目的ダムとして計画されていました。

国の職員
国の職員

ダム建設にあたり、それなりの補償も用意した。

五木村の人とも合意をとれたし、この計画で進めよう

第三者からのダム反対運動(1990~2000年)

1990年、平成に入りダム建設に向けて動き始めました。

ダムに沈む村の代替地も用意され着々と進んで行く、、、と思いきや!

公共事業を削減する潮流となっていた中で、国会の中からも川辺川ダムの建設に対して異議を唱える人が出てきます

国会議員
国会議員

無駄な公共事業なんて削減だ!ダム廃止!

また、補償内容ではなく、環境保全という面からダム反対の活動が広がり、川辺川ダムの建設にますます暗雲が立ち込めます。

メディア、マスコミもこぞってダム建設反対運動を進めるようになります

市民団体
市民団体

清流球磨川の環境を壊すな!

皮肉にも、五木村の人々がダム建設に軟化姿勢をとった途端に、それ以外の人々から反対運動が始まってしまったのです。

ダム建設中止が決定的に(2000年~現在)

ダム反対派であるダムの下流の人々と、国交省側の溝は埋まらず、何度も何度も話し合いが行われます。

その中で、当初利水も含めた多目的ダムとして建設される予定だったものが、治水ダムに変更になりました。

さらに2008年、熊本県知事が正式にダム建設反対を表明、民主党政権だった当時の前原国交大臣も同様に反対の立場を示し、正式に建設しない方向へ進んで行きました。

前原大臣
前原大臣

事業仕分け!ダム建設反対!

熊本県知事
熊本県知事

ダムの建設は時代に合っていない!

自民党政権に戻った時にダム建設計画が復活することはなく、川辺川ダム建設をしない方向で、どのようにして水害を抑えるかという方向で話は進んでいるようです。

今後の展望

このようなダム建設の経緯の中で今回の熊本豪雨が発生し、甚大な被害を受けました。

もし仮に、川辺川ダムがあれば被害の軽減につながったということは間違いないと思います。

2019年の災害で試験湛水中の八ッ場ダムが大活躍したという経緯もあります。今後もこのような豪雨が発生することは想像に難くないでしょう。

引き続きダム無しで治水していくのか、ダム建設の予定が復活するのか、今後どのような議論へ進むのかが注目されます。

以上!

参考文献

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